こだわりの企業を見る

ホーム > こだわりの企業をみる

「R×L SOCKS」

〜トップアスリートが絶賛する左右非対称の靴下〜 武田レッグウェアー株式会社

現代人は外出する際、必ず靴を履く。
そして、多くの人が素足に靴を履くのではなく、靴下やストッキング・タイツを履くことだろう。

靴下が誕生したのは、2世紀のエジブトであると伝えられている。
その後、大航海時代に世界中を旅していたポルトガル人やスペイン人によって、日本に伝えられた。

水戸黄門の愛称でお馴染み徳川光圀も履いていたそうで、日本が西洋化の道を歩んでいくと共に、庶民に広がっていった。

だが、実は私たちが今履いている一般的な靴下は、
水戸黄門が履いていたそれと、素材の向上はあるが、形状的にはあまり違いがないという。

この現状を知り、最先端の技術を盛り込んだ靴下開発企業があると聞き、取材に訪れた。

「R×L SOCKS」とは

武田レッグウェアー(株)が開発・製造している、
R×L SOCKS」(アールエルソックス)がそれに当たる。
名前からイメージできるように、
左右のソックス形状が異なっているのが、従来品との大きな違いだ。
2010年5月現在、ラインアップは
「ウォーキング」「バイク」「ランニング」「コンフォート」。

では、左右のかたちが違うと何がどういいのか?
開発に携わる武田大輔氏に話を伺った。

「靴下は"ズレ"て当たり前という感覚を、私たちは持っていませんか?
私どもは、その常識を覆したかったのです。
さらに、トップアスリートが靴下に望む声を、『R×L SOCKS』は多く取り入れています」(武田氏)

人間の足というのは、当然左右でかたちが違う。
だから靴のかたちも違うのだ。
だが、靴下のかたちは左右同じ......。
考えてみれば、誰でもおかしいと気付く。
「R×L SOCKS」では、いくつかのこだわり・特徴がある。ざっと挙げよう。

  • 内側(土踏まず側)は、土踏まずの形状に合わせたカーブを描く。
  • 親指側は長く容積を大きく、小指側は短く容積を小さく足指のかたちに合わせた。
  • 力のかかる足指裏を特殊製法で編み込む(5本指ソックスのみ)。
  • 踵(かかと)から足首にかけ、靴下だけで足首が自立するよう設計。

このような特徴を持つ「R×L SOCKS」は、ズレ防止だけでなく
長時間の立ち仕事でも疲れにくい」、
外反母趾・ストレスの緩和」といった効果をもたらすと、アカデミックな機関でも認められた。

脱下請け企業を目指して

同社の創業は1982年。
武田氏の父親であり、
同社代表取締役社長である武田進氏が創業した。
大手スポーツメーカーの下請け企業として、
OEM商品の製造が主な事業内容だ。
だが、その取引先が目を引く。
現在人気絶頂の
プロゴルファー石川遼選手のスポンサーとして知られる、
ヨネックス(株)のソックスは、100%同社製品である。

ヨネックス(株)のスポンサードを受けていた名テニスプレイヤー、モニカ・セレシュ氏。
彼女と一緒にソックスの開発に携わった経験もあるというから、その技術力は半端ではない。
だが、多くの下請け企業と同じく、オリジナル商品の開発を目指す。

「価格競争をしても大手には適いませんから、自社の強みである。
"技術力"を生かしたオリジナル商品を開発しようということになったんです」(武田氏)

「R×L SOCKS」の開発が始まったのは、今から約12年前のこと。
この時、武田氏は別の仕事に就いていた。
だが、父親に呼ばれ「R×L SOCKS」の構想を聞く。
そして「このソックスなら、大手企業にも対抗できる!」と確信。
家業を継ぐことを決意し、以来"靴下づくり"に没頭している。

知的財産権の管理にこだわり、口コミでファンづくりを

同社は「R×L SOCKS」に関する 製造技術・ブランディングを守るため、 「Big toe」なるブランド名で、 同商品を商品・特許登録している。 その登録国を知ると、同社のこだわりが見える。 日本、米国、中国、台湾、韓国、ロシア、 そしてヨーロッパまでと、とにかくワールドワイドなのだ。 また、特許庁の「知財で元気な企業2007」にも選出されている。

「いくら素晴らしいアイデアを出し、商品化を実現しても、
大資本の大手メーカーに真似されたら、それまでの努力、苦労は水の泡です。
ですから、知財管理は徹底していますよ」(武田氏)

広告費にあまりお金をかけないのも同社のこだわりだ。
自分たちができる作業は外注に出さない。その分、浮いたお金を開発費に回す。
ただ、世に「R×L SOCKS」の存在を知ってもらうことは必要である。そこで考えたのが、「口コミ」による波及効果だ。

同社のWEBサイトを見ると、全国のランナーと同社がインターネット上で交流している様子が分かる。
その数約100名
同社では、深い交流のあるランナーたちに「R×L SOCKS」を無償で提供。
試着結果を掲載することで、いかに優れた商品であるかを世に発信しているのだ。
また、マラソン大会への出店も定期的に行い、
ネット空間だけでなくリアルな場でのランナーとの交流を深め、情報収集にも注力している。

先日行われた「東京マラソン2010」では、2000足もの「R×L SOCKS」を販売。
武田さんの靴下が欲しかったんですよ!」と、待ち望んでいる声も聞かれたと、武田氏はうれしそうに話してくれた。
武田氏自身もランナーだ。
2009年はフルマラソンを3回完走したというから、ランナー同士意気投合する部分も多いのだろう。

日本から世界へ羽ばたく


先に書いたように、ワールドワイドに特許獲得をしている同社だが、今はまだそれほど海外での販売実績はないという。

「まずは国内で『R×L SOCKS』のブランディングを上げることに力を注ぎます。海外へは、その後ですね」(武田氏)

世界レベルのマラソン大会で、「R×L SOCKS」を履いたランナーが街を走り抜ける。――その日が来るのが待ち遠しい。

会社概要

会社名 武田レッグウェアー株式会社
代表取締役社長 武田 進
所在地 〒354-0015
埼玉県富士見市東みずほ台1-11-10
電話番号 本店
TEL :049-251-4332
FAX :049-254-3516

武田レッグウェアー株式会社 のHPはこちらから

↑ ページトップ