バイオトイレと聞いてみなさんはどのようなトイレをイメージするだろうか。 「何となくだけれどバイオ(微生物)のパワーで排泄物を分解・処理するトイレ?」 そう考える人が大半ではないだろうか。正解である。
今回取材に伺った㈱バイオセレントはそんなバイオトイレの販売を目的に設立された会社であり、福祉用具専門相談員なる肩書きを持つ薬師寺芳堂氏が代表を務める。
氏にバイオトイレの詳しい話を伺うと 「今、世の中に出回っている多くのバイオトイレというのは、 実は完全型ではありません。トイレの仕組みは当社が販売しているモノとほぼ同じですが、 他社のトイレでは必ずコンポストと呼ばれるカスが生じるために、 数カ月に一度はそのカスを取り除く作業が必要になります。 一方、当社のバイオトイレでは そのコンポストも排泄物と一緒に分解処理してしまうので、事実上メンテナンスフリーなのです」。
つまり、同社が販売するバイオトイレは 「完全消滅型のバイオトイレ」 だと氏は言うのだ。
バイオトイレとは?
バイオトイレの仕組みを簡単に説明しておこう。 外見はおまるを大きくしたような感じであり、 一般的なおまると違う部分は後方部に太いパイプが出ている点である。 そして、おまると同じように特長的なのが 水を一切使わないトイレなので水道や下水道に繋ぐ官がないということ。 このパイプは強制的にファンで排泄物の分解途中の 臭いや蒸発した水分を外部に排出するための装置であり、 室内での使用も考えた上で取り付けられた装置だ。
蓋を開けると中には杉のチップがたっぷりと入っており、 そのチップを混ぜるための数本の柄がついたステンレス製のシャフトがある。 大きな構造はこれだけ。電源は100V、12Vから選択ができる。
「えっ!? これだけでどうやって排泄物を処理するのか」
そんな驚きの声が聞こえそうだが、氏曰く「自然の原理に従っているだけですよ」とのこと。 さらに詳しくその原理を聞くと 「ようはこのトイレの中で、自然界で普通に行われている分解・処理がされているのです。 当社が開発したこのチップの中には微生物が大量に住み着いており、 排泄物をあっという間に処理します。 そして、その微生物がよりよく暮らせる環境を私どもはバイオトイレというかたちで製品にしているだけのことなんですよ」
そして氏はこう言葉を続けた 「バイオトイレを購入してくださったお客様に説明するのですが、 このトイレの中には微生物が大量に住んでいます。 ですので、まるで水槽内の熱帯魚を育てるようにこのトイレも扱ってくださいねと(笑)」
出発点は介護用品
介護の本質とは何であろうか?
寝たきりの老人がより快適に睡眠ができるようにと豪華なベッドを用意し、 排泄の手間もを無くすために高性能なおむつを着け与えることであろうか。
いや、断じて違うはずである。
出来る限り本人の自立を支援することであろう。言葉を変えればリハビリの手伝いといえるかもしれない。
氏が現在のバイオトイレビジネスをスタートした原点も、 そのような困っている人を助け、社会復帰をして欲しいという願いが根本にあったという。 そんなことから開発当時は病院と共同してあれこれと試作機をつくっていたそうだ。
だが、医療の現場に携わっている人たちというのは、介護はあくまで介護であってそこにリハビリという言葉は見えなかったという。
そして、とにかくマニュアルが多かったといい 「ここには絶対に取っ手が必要だ」 とか 「しっかりと踏ん張れるように足元には蹴込みが必要」 といった感じだったそう。
その結果、出来上がったトイレは価格が高く、 またあれこれと機能を付けた為にトラブルが多い製品となってしまったのである。
また、介護業界というのは既得権益に集る輩が多く存在する業界でもあるそうで、事業のスタート当時はあれこれと矛盾と挫折を感じたことも氏は話してくれた。 だが、バイオトイレを広め、社会に貢献したいという氏の志は変わらなかった。
そして、 無駄な装置や意見を省いた現在のシンプルな製品が完成したのである。
バイオトイレが逆輸入製品となる日を目指し
「私はとにかくこの素晴らしいバイオトイレを 世界中で必要としている人たちに届けたいだけなのです」
現在、同社はバイオトイレの製造権を米国にあるワールドワイドにビジネス展開をする企業に託し、日本国内と韓国での販売権のみを残した。 だが、チップの需要でビジネスとしての採算は合うという。 ただ、そこには優れた本物の製品を世界中に届けたいという氏の利に勝る精神があり、この精神は尊敬に値する。
介護用品という畑からスタートした同社のバイオトイレは、 製品の良さが前面に出る前に、既得権益に集る輩が群がり、 思わぬ方向に挫折した。 だが、
いいモノは売れるのだ。
このことは、筆者がこれまで数多くのモノづくり企業を見てきた感想である。 そして、そこに作り手や販売者の高い志があれば、さらに製品の価値は消費者に届くのである。そこに値段の高い安いは関係がない。 ましてや、今回紹介したバイオセレント社の製品は競合他社の製品と比べた場合にはるかに安く、維持費も安いのである。加えて高性能――。
「なぜこの商品がもっと売れないのか、世間に知って欲しい」 今回の取材の素直な感想である。
そして、このことはまさに『こだわり物語』の主旨そのものであるのだ。
数年後、同社のバイオトイレが業界のシェアナンバー1を取得するように願っているし、また、微力ながらその力になれればと思う。
〒101-0041
東京都千代田区神田須田町1-30
〒811-4164
福岡県宗像市徳重2丁目8-30
バイオトイレと聞いてみなさんはどのようなトイレをイメージするだろうか。
「何となくだけれどバイオ(微生物)のパワーで排泄物を分解・処理するトイレ?」
そう考える人が大半ではないだろうか。正解である。
今回取材に伺った㈱バイオセレントはそんなバイオトイレの販売を目的に設立された会社であり、福祉用具専門相談員なる肩書きを持つ薬師寺芳堂氏が代表を務める。
氏にバイオトイレの詳しい話を伺うと
「今、世の中に出回っている多くのバイオトイレというのは、
実は完全型ではありません。トイレの仕組みは当社が販売しているモノとほぼ同じですが、
他社のトイレでは必ずコンポストと呼ばれるカスが生じるために、
数カ月に一度はそのカスを取り除く作業が必要になります。
一方、当社のバイオトイレでは
そのコンポストも排泄物と一緒に分解処理してしまうので、事実上メンテナンスフリーなのです」。
つまり、同社が販売するバイオトイレは 「完全消滅型のバイオトイレ」 だと氏は言うのだ。
バイオトイレとは?
バイオトイレの仕組みを簡単に説明しておこう。
外見はおまるを大きくしたような感じであり、
一般的なおまると違う部分は後方部に太いパイプが出ている点である。
そして、おまると同じように特長的なのが
水を一切使わないトイレなので水道や下水道に繋ぐ官がないということ。
このパイプは強制的にファンで排泄物の分解途中の
臭いや蒸発した水分を外部に排出するための装置であり、
室内での使用も考えた上で取り付けられた装置だ。
蓋を開けると中には杉のチップがたっぷりと入っており、
そのチップを混ぜるための数本の柄がついたステンレス製のシャフトがある。
大きな構造はこれだけ。電源は100V、12Vから選択ができる。
「えっ!? これだけでどうやって排泄物を処理するのか」
そんな驚きの声が聞こえそうだが、氏曰く「自然の原理に従っているだけですよ」とのこと。
さらに詳しくその原理を聞くと
「ようはこのトイレの中で、自然界で普通に行われている分解・処理がされているのです。
当社が開発したこのチップの中には微生物が大量に住み着いており、
排泄物をあっという間に処理します。
そして、その微生物がよりよく暮らせる環境を私どもはバイオトイレというかたちで製品にしているだけのことなんですよ」
そして氏はこう言葉を続けた
「バイオトイレを購入してくださったお客様に説明するのですが、
このトイレの中には微生物が大量に住んでいます。
ですので、まるで水槽内の熱帯魚を育てるようにこのトイレも扱ってくださいねと(笑)」
出発点は介護用品
介護の本質とは何であろうか?
寝たきりの老人がより快適に睡眠ができるようにと豪華なベッドを用意し、
排泄の手間もを無くすために高性能なおむつを着け与えることであろうか。
いや、断じて違うはずである。
出来る限り本人の自立を支援することであろう。言葉を変えればリハビリの手伝いといえるかもしれない。
氏が現在のバイオトイレビジネスをスタートした原点も、
そのような困っている人を助け、社会復帰をして欲しいという願いが根本にあったという。
そんなことから開発当時は病院と共同してあれこれと試作機をつくっていたそうだ。
だが、医療の現場に携わっている人たちというのは、介護はあくまで介護であってそこにリハビリという言葉は見えなかったという。
そして、とにかくマニュアルが多かったといい
「ここには絶対に取っ手が必要だ」
とか
「しっかりと踏ん張れるように足元には蹴込みが必要」
といった感じだったそう。
その結果、出来上がったトイレは価格が高く、
またあれこれと機能を付けた為にトラブルが多い製品となってしまったのである。
また、介護業界というのは既得権益に集る輩が多く存在する業界でもあるそうで、事業のスタート当時はあれこれと矛盾と挫折を感じたことも氏は話してくれた。
だが、バイオトイレを広め、社会に貢献したいという氏の志は変わらなかった。
そして、
無駄な装置や意見を省いた現在のシンプルな製品が完成したのである。
バイオトイレが逆輸入製品となる日を目指し
「私はとにかくこの素晴らしいバイオトイレを
世界中で必要としている人たちに届けたいだけなのです」
現在、同社はバイオトイレの製造権を米国にあるワールドワイドにビジネス展開をする企業に託し、日本国内と韓国での販売権のみを残した。 だが、チップの需要でビジネスとしての採算は合うという。 ただ、そこには優れた本物の製品を世界中に届けたいという氏の利に勝る精神があり、この精神は尊敬に値する。
介護用品という畑からスタートした同社のバイオトイレは、
製品の良さが前面に出る前に、既得権益に集る輩が群がり、
思わぬ方向に挫折した。
だが、
いいモノは売れるのだ。
このことは、筆者がこれまで数多くのモノづくり企業を見てきた感想である。
そして、そこに作り手や販売者の高い志があれば、さらに製品の価値は消費者に届くのである。そこに値段の高い安いは関係がない。
ましてや、今回紹介したバイオセレント社の製品は競合他社の製品と比べた場合にはるかに安く、維持費も安いのである。加えて高性能――。
「なぜこの商品がもっと売れないのか、世間に知って欲しい」
今回の取材の素直な感想である。
そして、このことはまさに『こだわり物語』の主旨そのものであるのだ。
数年後、同社のバイオトイレが業界のシェアナンバー1を取得するように願っているし、また、微力ながらその力になれればと思う。
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